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傘鉾パート2

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羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く

三月初めの、とある日、愛車を洗車していたときのこと。

前輪のタイヤを洗い始めたところ、アルミホイールのナットが1つ緩んでいることに気付きました。

あれっ?先週、前後のタイヤを入れ替えたときに締め忘れたのかな?

咄嗟に、私はそう思いました。

よくよく見ると、5穴のナットのうち1つは緩み始めていて、
もう1つは外れる寸前まで緩んでいました。


さらに呆れたことに、5つあるはずのナットが4つしかなかったのです!

つまり、前輪の片側は4つのナットで、しかもホイールがゆるゆる?の状態で、
そのときまで気付かずに走って
いたということになります。

私は、その光景を思い浮かべてゾッとすると同時に、誰かにイタズラでもされたの
だろうか?と思いました。


でも、このことろ、そんな…不逞の輩が集うような処に駐車した覚えもないし。

思い返すと、その日からちょうど一週間前、私は自ら前後のタイヤローテーションを
したばかりでした。


ただ、その日は二月末のおそろしく寒い日で、早めに済ませてしまおうと、
私はいつもより手際よく
やっつけたのです。

まさか…、ナットを締め忘れたか…、いいや、そんなはずはない!

私は、過去ずっとそうしてきたとおり【たすきがけ】の要領で確実にナットを締めたこと
を思い出しました。



洗車したあとはちょっと近場まで出かける予定でした。

とりあえず何とかしなきゃ…、私は思いました。

車載のレンチで残る4つのナットを増し締めしてから、私はツールボックスを開けて、
代わりに使えそうな
ナットがないものか探してみました。

でも、タイヤホイールのナットなんてあるはずもなく、取り急ぎ知り合いのモータースの
店主に電話をかけて
みました。

店主いわく、
「純正ホイールのナットは持ってないねぇ、
ディラーに行けば安く売ってくれるはずだけど…」

私は、いつも親身なはずの店主の思いのほかそっけない反応に、アテが外れたと思いました。

そして、
「へ~、修理工場を構えているモータースにさえ
ないんだから、
オレのケチくさいツールボックスの中に
なんぞあるはずねえな…」 そう思いました。


私は、出かけるついでに近在のディーラーに寄ってみることにしました。

私は車検も整備もすべて知己のモータースに任せているので、
そのディーラーを訪ねるのは初めてのことでした。


受付というか窓口には、ふだんはご当地アイドルでもやってるんじゃなかろうか?
と思えるくらい容姿端麗な
女子がいて、笑顔で応対してくれました。

しかし、PCで調べると純正ホイール用のナットの在庫は持っていないらしく、
取り寄せになるようなことを言われ
ました。

「あっ、でも、ご自身でパーツ販売に行かれるのであればすぐに手に入ると思いますよ。
ただ、車検証の提示が
必要ですが、行ってみますか?」

ディーラのパーツ販売会社は、そこからクルマで5分くらいのところにありました。

私は早速行ってみることにしました。

住所を教えてもらったパーツ販売会社に着いてみると、そこはいわば同業者のための
問屋みたいなところで、
一般客などはひとりも見当たらず、
ディーラーと比べると
妙に質素で時代遅れなオフィスに5人~6人くらいの社員らしき
が働いていました。


「いらっしゃいませ、どうされましたか?」

私は、「いつの間にかホイールのナットが1つなくなった」と言うのもバツが悪いので、
今しがたタイヤローテーション
してる最中に1つ紛れてしまったらしい…などと伝え、
容姿
端麗女子から言われたとおり車検証を提示しました。

店員?は、私の車のホイールナットが確かに1つ欠けているのを自身の目で確認すると、
PCの画面を観ながら、
「ちょうど1個だけ在庫があります」と言ってきました。

純正のナット 324円。

ステンでもないただの鉄製ナットが324円かぁ、新車なら350万もする車だし、
安いと思わなきゃバチが当たるか…。



それにしても…、私はその日、この1個324円のナットにずいぶんと翻弄されてしまった
ような気がしました。


というより、私が足かけ三十年に渡って乗り継いできた車は、半年から1年の間に自ら
前後輪のローテーションを
実行してきましたが、今回のような
『ナットが緩む』などとい
うていたらく(不手際)はただの一度も起きなかったのです。

それが、妙にショックで、
私はセルフで車の整備をすること
にすっかり自信をなくしてしまいました。


後日、人の解説を聞いたら、「締め忘れでもなくイタズラでもないとしたら、
おそらくホイールのセンターがわずか
にズレていたのだろう」ということでした。

つまり、ホイールのセンターがほんの少しでもズレていると、
どんなにしっかりとナットを締めこんだとしても、タイヤが回るうちにホイールのズレが
矯正されてナットが緩む…という
ロジックだそうです。


「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」とはよく言ったもので、
私はそれからしばらくの間、数日おきにホイール
ナットの緩みをチェックするハメに…。

その名残りというか、余韻というか、
今でもトランクルーム
のすぐ出せるところにタイヤレンチを用意しておき、
週に一度はホイールナットの緩みをチェックするよう心掛けています。

                                         (2015.6.11)












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